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ブログ - 運命のクラリネット

運命のクラリネット

カテゴリ : 
豊吹ブログ
執筆 : 
rikakyouin 2012-6-2 11:17
 先日、大学祝典序曲の2ndクラを演奏することを書きましたが、
練習の実績のおかげか、年上に気を遣ってくれたのか、遠距離から
きて序曲のみではかわいそうと思われたのか、ドイツ管パート
リーダーから、あの有名なベートーヴェン作曲交響曲第5番
(運命)の1stクラリネットも任されました。
 ちなみに、パートリーダー君はドヴォルザーク作曲交響曲
第9番「新世界より」の1st。 
 演奏経験としては運命の1stクラは、有名な第1楽章のみ、
2ndクラは全楽章あります。だから、楽しみ半分、不安半分ですね。
 さて、運命のクラリネットは先ほど2ndクラでショッキングな
思い出があります。
 それは、最初の通し練習(初見大会)のときのことです。
第3楽章の終わりから休みを数えながら、そのまま突入する
第4楽章(アタッカ)の冒頭に向けて、「大きい音で思いっきり
吹くぞ」と狙いを定めていました。あのドミソの和音で、
大きな勝利にきた〜と思って吹きました。
 すると、ものすごい不協和音でした。指揮者がすぐに止め、
不機嫌そうに「誰!違う音吹いとるんは」。
 私は楽譜通りの音を確かに出していましたが、明らかに
違和感があったので、手を挙げて、みんなの冷たい視線を
浴びました。
 でも、納得がいかず、1stクラの相棒に尋ねました。
「これってBだよね」と。
 すると答えは「第4楽章はinCで書いてあるのよ。
だから、それはCの音よ」と。
 「えっ、そうなの。でも、どこにもinCとか書いてないよ。」
と1stの楽譜を覗き込むと、1stの楽譜には第4楽章の冒頭に
確かに「inC」の文字があるではないですか。
 もう一度自分の楽譜を見ても第4楽章の最初あたりに
「inC」の文字はありません。
「くそ、私のせいではないよ。楽譜のせいだよ。
この楽譜でどうやって第4楽章だけinCだとわかるんだ。
指示が抜けてる不良楽譜」と心で思って、
口では「どうもすみません」と謝ってました。

 しかし、そのとき、「inC」の文字に気づきました!

 なんと第3楽章の終わりの休みの部分に!

 しかもファゴットかティンパニのガイド用の小さい記譜のそばに!
 こんなのは、罠以外にあり得ないと思った衝撃的瞬間でした。
 第4楽章の冒頭に書けばいいのに。
 ベートーヴェンのせいなのか、出版社のせいなのかは、
わかりませんが、きっとこれで痛い思いをしたクラリネット奏者は
たくさんいるはずです。
 ですが、本当に初見で臨んだ私が悪いのでしょうが・・・。
でも、個人練習を事前にしていたとして、気づいていただろうか。
私では、おそらく同じ結果だったな。

 みなさん、楽譜には気をつけなはれや!

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